高校編・その2

2002年7月30日
どうにか留年はまぬがれた。
わたしは高校二年生になった。
親友とクラスが分かれ、
少しさみしい新学期だった。
しかし、そこそこに遊ぶ仲間が何人かいたため、
まあ不自由はなかった。
対立していた女とはクラスがわかれたため
せいせいしていた。
まだ特定の彼氏はいなくて、相変わらずバイトに精を出す日々。

その頃、通学時にある男の子とよく目が合うようになる。
彼はバンドをやっていて、
わたしはその方面に全く興味がなかったため
知らなかったけれど、
いろんなとこに出ているらしく、
いつも背中にギターを背負っていた。

まだ話はした事がなかったけれど、
同じ学年ということは知っていた。

そして夏、お祭の日に、
その彼と初めて話をした。
わたしは友達数人と来ていた。
お酒も飲んでいた。
彼はテキ屋のバイトをしていた。
わたしはすぐに話し掛けた。
そしてタバコを一本もらう。
彼もわたしのことを知っていて、
どうやったらそんな髪の色になるの?と聞かれた。
脱色したあと、安い白髪染めで真っ黒にして、その後また脱色したら真っ赤になるんだという事を教えてあげた。
しかもその白髪染めは染め粉でなくてはいけないことも教えた。

通学時に大体同じ時間帯でもあるし、
また話をしようと別れる。

しかし、その後彼とまた会ってしまい、
結局朝までみんなと遊ぶ。

わたしはなんとなく気になっていたその彼と知り合いになれてうれしくもあったが、
時々その彼が違うクラスのオンナと一緒に歩いているのも見ていた。

奪ってやろうかなと思った。
自分が幸せじゃないから、楽しそうな二人がうらやましかったのか、
人のものかもしれないと思うから欲しかったのかはどちらともいえない。

彼との話でいろいろ教えてもらった。
彼はバンドでベースを弾いていて
背中に背負っていたりのはベースギターだった。

わたしは全くちんぷんかんぷんで、
市で行われるステージに出るから見に来てと言われてもピンと来ない。
練習を見に来てともいわれ、
その後何度か見に行くのだが、
いつもその、違うクラスのオンナがいた。

うまいとか下手だとかもわからない。
ただ一生懸命な彼を見て、その後時々一緒に帰る程度。
付き合っているわけでもなく、彼に止められるわけでもないのに、
わたしは夜遊びをあまりしなくなっていた。

ひょっとして普通の恋愛をするチャンスかもしれなかった。
だけどいまさら普通の高校生である彼と付き合うのは恥ずかしい気がして、踏み込めない。

車もなくて単車もない。
自転車とバスを乗り継いで彼は通学していた。

そういう男と付き合ってわたしは満足できるのだろうか。

好きかといわれたら好きかもしれない。
まだよくわからない・・・・

しかしあんまりにも普通のただの友達ふうな付き合いに、わたしは我慢できなくなってくる。
彼の家に遊びに行ったときに、
たくさん友達が来ていたんだけど、
こっそりと「二人になりたい」と伝える。

夜になってみんなと別れ、また二人で会った。

そして彼のことを好きなそうな女の話をして、
ソイツと何の関係もないことを聞き出し、
彼に迫った。

わたしのことを好きなら言ってほしい、
そうすればわたしも言う。

彼は口ごもったけれど、わたしは絶対言わせたかった。

その夜はキスだけをして帰った。
彼にとっては初めての経験だったらしい。

朝会うのがなんだか恥ずかしかったが、
普通に話す。
やたらとうわの空な彼が可愛く、
このまま二人でどこかに行きたいような気がしていた。
しかし彼は普通に学校へ行く真面目な人である。
バンドをしているせいで外見だけは派手かもしれないが、
中身は普通の男の子だった。
悪い道には誘えない。
彼の友達とも話せるようになり、
わたしは少しまともになって来た。

彼と寝るまでにそれほど時間はかからなかった。
告白しあってから一週間くらいだったように思う。

彼の初めてをわたしがもらった。

それからしばらくは幸せで、楽しかったけれど
だんだんとわたしは彼に飽きていく。
彼は「そればっかり」したがる。
しかも何度もしたがる。
だんだんとわたしの都合や気持を無視し始める。
そして、いろんなことを試そうとする。

わたしは真面目な彼が好きだった。
一途で一生懸命な彼が好きだった。

彼がこんなふうになったのはわたしのせいかもしれない・・

冬になりわたしは17歳になった。

だんだんと彼とも疎遠になってくる。
通学時に一緒にいても人前で触ろうとしてくる彼がいやで、
わたしは通学時間を変える。
おもちゃにされたくなかった。


もう以前ほど遊ばなくなっていたが、
時々は友達と夜の街へ出る。

家の中は相変わらずめちゃめちゃだが、
親と話さないためそれほどの危機はない。
母親は、彼氏がいる方が悪い遊びをしないからいいと言っていた。
避妊には注意しろと言われていた。
しかし、わたしは今まで避妊したことがなかった。
それでも妊娠しないから、
きっと自分は不妊症なのだと思っていた。


その頃親友もつらい失恋をして、二人でうさ晴らしのように遊ぶ。
二人組みの男と知り合い
親友はソアラに乗っていた男と、
わたしはもう一人のセブンに乗っている男と
二組に別れた。
わたしはその場限りで付き合ったのだが
彼女はわりと真剣にその男のことを好きになってしまう。
わたしが間に入り、
二組で会う計画を立てたり電話をかけたりし、
わりと苦しんでおかげで彼女とその男は付き合い始める。

わたしはまた一人でさみしい日々を過ごす・・


バイト先でよく名刺をもらい、
それに電話番号が書いてあることも多いのだが、
いつも放置していたか捨てていた。
ただ、好みな人がくれたら大事に持っていたりしたが、
自分からかけることはしなかった。

親友の彼の友達と一緒に遊んだりすることはあったが、
やっぱり特定の彼氏はいない。

彼氏がいないほうが身が軽いし、
何よりモテる。
しかし、やっぱりさみしい。

誰かいい人に出会いたいなあといつも思うが、
わたしの行動範囲にいい人なんていない。
出会うのは軽い男ばかりで、わたしはいつもその場限りの恋愛をしていた。

そういう経験を重ねるたびに
初めて付き合って裏切ってしまった彼のことを思い出して自己嫌悪する。
そういう気持をノートにまとめたりしてよく一人で泣いていた。
好きなものは手に入らない。


高校編・3へ続く。




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