中学編・その2

2002年7月28日
中学三年、
やっと親友と呼べる友達ができ、
彼ともうまくいっていた。
しかしわたしはどんどん悪くなっていく。
母親と殴り合いはよくした。
手で叩くと(母親の)手が痛いからと、
わたしはよくモノで殴られた。
母親の男は普通に暴力をふるうようになった。
顔が腫れ、殴られたせいで鼻の血管が脆くなってたのか
よく何もしてないのに鼻血は出た。
七つ下の男の連れ子と二人でよく泣いたりもした。
慢性的な頭痛が続いていて、
保健室で薬をもらう。
それがほとんど毎日なので保険の先生に受信を勧められ、
家に連絡が行く。
母親はしぶしぶわたしを連れて病院へ。
当時まだめずらしかったCTを撮る。
脳波もとる。

「何の異常もありません」
と言われ、母親は怒った。
「こんなに高い金出させて、なんともないなんて
大人を騙すな!」

じゃあ、わたしが頭の中が変だったらよかったのか。
なんともなくてよかった、じゃないのか。
やっぱりわたしは彼女にとってずっとお荷物だったんだろうな。
そういうことをあらためて感じた。

空想はもうしなくなっていた。
逃げ場所があったから
どうにか生きていられたと思う。
もっと小さいときにわりと苦しい思いはしてきたので、
逆境には強いという自信はあった。

早く大人になって、こっから出て行ってやる。
そう思った。


彼と夜中までバイクで走って、
だけど夜は一応家に帰っていたのに、
この頃からわたしは外泊しはじめる。

友達の家だったり溜まり場だったり、
彼の部屋だったりもする。

それでも彼女と話がしたくて学校へは顔を出していた。
彼女は外見は派手だけど
頭はよかった。
「一緒に高校行こう」
といわれ、高校へ行く事を真剣に考え始める。

絵を書くのがすごく好きだったので、
そういう方面が充実した学校へいきたかった。
しかし、もう取り返しのつかないくらいだったわたしの成績ではどこも望めない。
彼女と一緒に勉強しながら
一番近くの高校を目指した。

模試があった。
三教科の模試だったけれど、
わたしはこれですごい点数をとってしまう。
国語だけが、学校で一番、市内で七番目だった。
英語も数学もボロボロ。
五点くらいだった。
その点数を見た国語の教師が、
「あなたは大学へ行って国語の勉強をした方がいい」
と、わたしに言った。
こんなわたしでもできるんだ、と少しやる気も出てきた。
それを家族にも話にきてくれたのだが、
母親は、「今の父親が大学に行っていないので
行かせられないし、余裕もない」
と。
またわたしの夢はひとつしぼんだ。

しかし高校へは行こうと思い、
やっぱり彼女との勉強は続けていた。三年分取り戻す為に。

彼と会う時間も少し減ってきた。

もう家族には頼るまい、と思った。

冬がきて、わたしは15歳になる。
彼と初日の出を見に行く。
初めて見に行った。
家族で出かけることなどなかったわたしにとって、
彼が連れていってくれるところすべてが珍しく、
楽しかった。
山でも川でも海でも、楽しかった。

わたしは恒常的に母親の財布からお金を抜きとっていた。
母親は宗教に凝っており、
お布施を溜めている場所を知っていたので、たやすかった。
そのお金で遊んでいた。
宗教関係の人が家によく来ていて、
その人たちにもっともらしい事を語っている母が憎らしく、
許せなかった。
相変わらず殴り合いはしていた。
当時母親はものすごく大きな仏壇を買う。
それが300万円以上する代物で、
その事をすごく自慢していた。

わたしに使うお金はなくても、宗教には使えるんだと思うと寂しいという思いより
腹立たしいという思いしか残らなかった。


受験。
彼女と勉強していたおかげで
わりと楽に乗り切れた。
しかしわたしは受験会場でも目立っていたようで、
帰り道に因縁をつけられケンカしてしまう。
おおごとにはならずにすんだものの、
その時ケンカした相手とは
入学してもずっと対立するのである。

高校も合格した。
もちろん彼女とも一緒だ。
すべり止めは受けなかった。
だから落ちていたら人生が変わっていただろうなと思う。
卒業式には、彼が迎えに来てくれることになっていた。
親は関係ない。
卒業証書の名前を呼ばれても、
返事はしないで立った。
早く高校生になりたかった。
彼が花束を持ってきてくれ、
下級生が写真を撮ってください、と数人来た。
その時になんとなく泣いてしまった。

教師との思い出などほとんどない。
あきらめずに話し掛けていてくれたのは
定年後に臨時で来ていた
元どこかの校長先生だけ。
その先生とはわりとよく話もしていたんだけど
最後の時に会えなくて残念だった。

わたしの中学時代の思い出は、
彼と過ごした時間、
たった一人の親友と過ごした一年間。

何度も勧誘されて少しは頑張ったクラブ活動くらいかな。

あの当時のわたしを知る教師は、
まともな大人にはならんだろうと思っていたにちがいない。


高校編へ続く。


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